出張レポート/世界の富裕層を惹きつける、シンガポール

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年に数回ある海外の展示会(見本市)のうち、2年に一度シンガポールでおこなわれている「FHA (フード ホスピタリティ アジア)」を訪問。新商品のリサーチに加え、各取引メーカーとの面会を通して交流を深めました。また、最先端で成熟したシンガポールのラグジュアリーホテル市場や食文化の体験をレポートいたします。

アジア最大級の見本市「FHA」

「FHA」は、アジア最大級の食品・飲料・ホスピタリティ産業の総合見本市。アジアに限らず世界中からメーカーやバイヤー、シェフが集まり、最新のテーブルウェアや食品のトレンドが紹介されます。

今年の開催期間は4月21~24日、シンガポール・エキスポで開催されました。世界各国から2,750以上の出展者が参加、110の国や地域から7万人以上が来場しました。これは過去10年で最大規模とのことです。直近の日本のホテル・レストランショーの来場者数は約5.5万人とのことですが、体感としては約2倍の規模感でした。

既存取引先の新商品はもちろん、新規ブランドでも目を引く商品がいくつかありました。現在、持ち帰って検討中ですので、ご紹介できるまで今しばらくお待ちください。

既存取引先のブースでは担当者との話に花が咲きます。日々メールや電話でコミュニケーションを取ってはいるものの、直接会えばどの担当者も喜んで迎えてくれるのも恒例行事。こうして良好な関係性を維持することが、万が一トラブルが発生した際にも、迅速かつ円滑な解決の一助になっていると感じます。

 ホテル視察①ザ・キャピトルケンピンスキホテルシンガポール

ドイツ発祥で、ヨーロッパ最古のホテルグループ「ケンピンスキ―」。日本にはまだ出店はありませんが、海外のケンピンスキーでは当社の主力ブランドであるCrasterやLa tavolaが採用されている実績も多くあったので、どんなホテルなのか興味を持って訪問しました。

ザ・キャピトルケンピンスキーホテルシンガポールは1900年~1930年に出来た歴史的建造物を修復・融合して再建され、2018年に開業。当時の装飾も随所に残された、クラシックなラグジュアリーホテルです。都心にありながらも南国らしく開放的な1階のレストラン「15 Stamford」にて、セミビュッフェスタイルの朝食を取りましたが、リゾートらしい演出方法が印象的なビュッフェコーナーでした。

ホテル視察②シャングリ・ラ・シンガポール

全世界のシャングリ・ラの一号店でありフラッグシップ。日本のシャングリ・ラとは全く違い、3つに分かれたウィングの客室総数は806室、15エーカー(東京ドーム1.5個分)の広大な熱帯庭園に囲まれた巨大リゾートです。

また、シャングリ・ラといえば「香宮(シャンパレス)」というくらい有名なのが中華レストランです。というわけで我々もランチで訪問。赤を基調とした店内は1971年創業の歴史を感じる重厚感があり、牡丹の描かれたショープレートのセッティングは華やか且つエレガント。ビジネスランチやファミリーなど様々なゲストが集う老舗らしい受け皿の広さに安定感を感じつつ、現代的でありながら伝統を感じる飲茶を堪能しました。

ホテル視察ザ・フラトンホテル・シンガポール

1928年に建設され、2015年12月に国定史跡となった建物で、シンガポールが誇るヘリテージホテルの一つです。現在も外観は精緻に保存されており歴史が感じられ、パルテノン神殿を思わせるギリシャ古典様式の壮大で解放感のある吹抜けのロビーは圧巻。フラトンホテルの場所はマーライオンパークのあるエリアでマリーナベイサンズも目の前という絶好のロケーション。過去と未来が交差する、まさにシンガポールらしいホテルでした。

ホテル視察④ラッフルズホテルシンガポール

1887年設立でシンガポールの代名詞ともいえるラッフルズホテルシンガポール。白亜のコロニアル建築、「東洋の貴婦人」とも称された名門老舗ホテルです。

素敵なレストランも有りますが、ラッフルズホテルと言えばロングバー。歴史ある物語も含めてゲストを惹きつけるコロニアルスタイルなバーで味わうのは勿論「シンガポールスリング」、1杯日本円で約5,000円(!)にも関わらず帰る頃には長蛇の列。ちなみにロングバーお決まりの「ピーナッツの殻を床に落とす」は元祖にしてルール。新たなラッフルズsホテルがオープンするたびに、その地ならではのアレンジを加えた新しい「スリング」レシピが登場するそうなので、2028年開業予定の東京も楽しみにしたいと思います。

ホテル視察⑤カペラシンガポール

今年3月に京都にオープンしたカペラも、このシンガポールのセントーサ島にあるカペラが1号店でありフラッグシップ。30エーカー(東京ドーム3個分)の広大な土地に112室の客室(内ヴィラ、コテージが41)とプールやレストランを備える完璧なラグジュアリーリゾート、植民地時代の面影を残した美しい外観とモダンな内装、館内には数多の現代アートというギャップも魅力。市街地の喧騒を一瞬にして忘れる美しく静寂に満ちた空間でした。

館内を見て周ろうとスタッフに声をかけたところ、2018年米朝首脳会談のシンボルマークを含むほぼ全館を快く案内してくれました。カペラはそもそも、ザ・リッツ・カールトンを世界的なブランドへと成長させた元COOが設立したホテルグループ。 2009年開業にも関わらず、カペラホテルズ&リゾーツとして「World’s Best Awards」で、3年連続「Best Hotel Brand」に選ばれたのも納得のホスピタリティでした。

ホテル視察⑥Wシンガポールセントーサコーヴ

「世界中の富が集まるセントーサコーヴ」と称され、富裕層が集うことでも有名なロケーションにあるW。ヨットハーバーが近く、カジノもあるリゾートならではの解放感に溢れ、エッジの効いたシティのWとはまた違った雰囲気でした。ちなみにプールは24時間利用可能、シンガポール屈指の大きさという本気度もWらしくて素敵。洗練されたラグジュアリーとリゾートならではのリラックス感が絶妙に融合した空間は、まさに“大人の遊び場”。

ミシュラン1ツ星レストラン「BORN」

近年アジアの中ではトップクラスにあるアンドレ・チャン氏の愛弟子の1人、ゾー・タン氏がシェフを務めるレストランで、開業から1年足らずでシンガポールのミシュラン一つ星を獲得。フランス料理と中国料理を融合させたイノベーティブ料理を試すべくディナーで訪問しました。食器は有田焼を中心に使われており、またペアリングには日本酒も。日本のフードシーンへの関心の高さを肌で体感すると同時に、改めて日本のレストランのレベルの高さも実感する貴重な体験でした。

おまけ:シンガポールローカル情報

シンガポール出張のルーティンのひとつが「朝の植物園散歩」です。国内唯一の世界遺産でもあるこのシンガポール植物園には、広大な敷地にさまざまな草花が生育していて、特にランが有名。駆け足で回る展示会、豪華絢爛なホテル視察の合間のリフレッシュにぴったりです。

また、シンガポールのローカルグルメが手軽に味わえるホーカー(屋台街)、マックスウェル フードセンターでは、数あるお店の中から在住の友人に教えてもらった四川料理をチョイス。現地の人に混ざって大汗をかきながらしびれる辛さを味わいました。中華、マレー、インド、プラナカンなどのルーツを持つ食の多様性と、人々が同じテーブルを囲むコミュニティ空間が評価され、ホーカーは2020年に国内初のユネスコ無形文化遺産に登録されています。

今回の出張で滞在先に選んだのはシンガポールを代表するショッピングエリア「オーチャード」。日本でいう銀座や表参道のような街でしょうか。ホテルや飲食店も多く、またWやカペラがあるセントーサ島にもアクセスが良い場所です。宿泊したホテル併設のルーフトップのプールバーから見える活気ある夜景に、シンガポールの持つ国際都市としての力強さを感じつつ旅を締めくくりました。

1965年の独立以降、「国際金融都市」「観光立国」として成長することを国家戦略として推し進め、ここ数十年で一気にメトロポリスとしての存在感を有するようになったシンガポールは、まさにラグジュアリーホテルの宝庫。前述のセントーサの例にもあるように、世界中のセレブリティが集まることから日本に比べてホテルの数自体も多く、ラグジュアリーの在り方が日本よりも進んでいることを体感したと同時に、外資系ラグジュアリーホテルの日本進出が加速する理由についても理解が深まりました。

今回の海外出張を通じて現地で得た最新のトレンドや市場の動向については、新たな提案や価値提供につなげていきたいと考えています。また、このレポートがシンガポールに行かれる際の参考になれば幸いです。